レオニー・ベネシュ(Leonie Benesch)

生年月日: 1991年4月22日
出身: ドイツ・ハンブルク
職業: 俳優

人物・キャリアの背景

レオニー・ベネシュは、ハンブルクに生まれ、幼少期をハンブルクで過ごしたのち、テューリンゲン州の自由ヴァルドルフ学校、ビーレフェルトのルドルフ・シュタイナー学校に通った。高校を終えるとベルリンへ移り、演技を学びはじめる。

17歳のとき、ミヒャエル・ハネケ監督『白いリボン』(2009)で乳母エヴァを演じた。第一次世界大戦前夜の北ドイツの村を白黒で描いたこの作品はカンヌ国際映画祭のパルム・ドールを受賞し、ベネシュは新人としての賞を受けている。いきなり世界の映画祭に立った形だが、彼女はそこから急いでキャリアを積むのではなく、2013年にロンドンの名門ギルドホール音楽演劇学校に入学し、2016年まで3年間かけて演技を学び直した。

学校を出てからの歩みは速い。ドイツの大型ドラマ『バビロン・ベルリン』(2017〜)でグレタ・オーバーベックを演じ、この役でドイツ映画俳優賞を受賞。Netflixの『ザ・クラウン』ではフィリップ殿下の姉セシリー王女を、BBCの『80日間世界一周』(2021)ではデヴィッド・テナントと並ぶ主要人物を演じ、ドイツ語と英語の両方の現場を行き来する俳優になった。

代表作となったのは2023年の『ありふれた教室』(原題 Das Lehrerzimmer)である。中学校で起きた盗難事件をきっかけに、正しくあろうとした若い教師が、生徒からも同僚からも保護者からも追い詰められていく。ベネシュはほぼ全編に出ずっぱりで、教室という狭い箱の中で息が詰まっていく過程を演じきり、ドイツ映画賞の主演女優賞を受賞した。同作はアカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされ、ベルリン国際映画祭のシューティング・スター(次世代を担う欧州の俳優に贈られる)にも彼女の名が挙がった。

2024年にはティム・フェールバウム監督『セプテンバー5』に出演。1972年のミュンヘン五輪で起きた事件を、中継を担当したアメリカのテレビ班の副調整室だけで描いた作品で、ドイツ語と英語の間に立つ通訳の役を務めた。

2025年の『Late Shift』(独題 Heldin)はペトラ・ヴォルペ監督作品。人手の足りないスイスの病院で、夜勤に入った看護師フロリアの一晩を追う。ベネシュはほぼ出ずっぱりで病棟を歩き続け、ヨーロッパ映画賞の女優賞にノミネートされた。同作はスイス代表としてアカデミー賞国際長編映画賞に出品されている。

主な出演作

※小規模な作品が多く、世界興行成績が公表されていないものがあるため、ここでは公開順に並べている。

  1. 『白いリボン』(2009) – ミヒャエル・ハネケ監督。カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作(乳母エヴァ役)
  2. 『バビロン・ベルリン』(2017〜) – グレタ・オーバーベック役。ドイツ映画俳優賞受賞
  3. 『ザ・クラウン』(Netflix) – セシリー王女役
  4. 『80日間世界一周』(2021) – BBC。デヴィッド・テナント共演
  5. 『ありふれた教室』(2023) – ドイツ映画賞 主演女優賞受賞。アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート作
  6. 『セプテンバー5』(2024) – ティム・フェールバウム監督
  7. 『Late Shift』(2025/独題 Heldin) – ペトラ・ヴォルペ監督。ヨーロッパ映画賞 女優賞ノミネート

その他の注目作

ドイツ語と英語の両方

ドイツ・スイスの作品と、イギリス・アメリカの作品の両方に出演している。ロンドンで3年間演技を学んだ経歴が、そのまま仕事の幅になっている。

密室の芝居

『ありふれた教室』の職員室と教室、『セプテンバー5』の副調整室、『Late Shift』の病棟。狭い場所に閉じ込められ、時間に追われる役が続いている。走る、歩く、息が上がる——台詞よりも体で見せる芝居を任される俳優である。

最新作

  • 『Late Shift』(2025/独題 Heldin)- 第98回アカデミー賞スイス代表作品
  • 『Prisoner』(2026)- 全6話のシリーズ

レオニー・ベネシュは、ドイツ映画賞 主演女優賞、ドイツ映画俳優賞、ベルリン国際映画祭シューティング・スターを受賞し、ヨーロッパ映画賞にノミネートされている。17歳でパルム・ドール受賞作に出たあと、慌てずに学校へ戻った俳優が、30代に入って一本ずつ代表作を積み上げているところである。

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